ブランディング支援

ブランド戦略設計

ブランドの強みと独自性を明確にし、一貫性のあるブランド体験を設計します。

ブランド戦略設計

ターゲット顧客を理解し、ブランドのポジショニングを明確にします。ブランドの価値観、パーソナリティ、ビジョンを定義し、それを反映したブランドストーリーを構築します。あらゆる接点でブランドの一貫性を保ち、差別化された顧客体験を提供することが重要です。

ブランド戦略設計で解決できる課題

このような課題に直面することはありませんか?

  • ブランドの独自性や差別化要素が明確でない
  • ターゲット顧客のニーズや嗜好への理解が不足している
  • ブランドメッセージが一貫性に欠け、混乱を招いている
  • ブランドアイデンティティとビジュアルデザインが乖離している
  • 競合他社との差別化が図れていない
  • ブランド価値を効果的に伝えるストーリーテリングができていない
  • 各種メディアやチャネルでのブランド体験が統一されていない
  • ブランドに対する社内の理解と浸透が不十分である
  • ブランドの長期的なビジョンと成長戦略が明確でない
  • ブランドパフォーマンスの測定と改善が継続的に行われていない

ブランド戦略設計の流れ

ブランド戦略設計の流れ

プロジェクトの遂行にあたり、弊社では6つの主要なフェーズで開発を行います。

まず基礎調査では、お客様のブランドに関する情報を様々な角度から集め、現在の課題や目指すべき方向性を明確にします。次のブランドコンセプト開発では、収集した情報を元に、ブランドの全てのコミュニケーションの核となる考えを固めます。

ネーミング開発では、このコンセプトに基づいてブランドの根幹となる特徴的な名前を生み出します。VI(ビジュアル・アイデンティティ)開発では、コンセプトとネーミングに込められた思いを創造的かつ戦略的に形にし、目に見えるブランドの個性を作り上げます。

ブランドアクティベーションは、構築したブランドを効果的に発信し、対象となる人々との接点を作ることで、ブランドを実際に体験してもらう段階です。最後のブランドエンゲージメントでは、社員を含む関係者全員にブランドの価値観を浸透させ、組織全体でブランドを体現していきます。

お客様の課題や目的、条件に応じて、各フェーズに割く時間や力の入れ方は変わりますが、基礎調査からエンゲージメントまでを全体的に取り組むことで、一貫性のある強力なブランドを作り上げることができます。弊社では、このような体系的な方法により、お客様のブランド価値を最大限に高めることを目指します。

1.基礎調査

1.1 キックオフミーティング: プロジェクトの目的と役割分担の共有

プロジェクトに関わる全員が集まり、目的、やるべきこと、スケジュール、そして誰が何をするかを確認します。ここで大切なのは、プロジェクト全体の不明点、特に最終的な成果物のイメージについて、全員の理解を合わせることです。

1.2 現状把握: 世の中の流れとブランドの実態を調査

ブランド戦略を立てるには、会社の主張だけでなく、世の中の動きや消費者の本音を知り、ブランドが実際にどう機能しているかを調べることが重要です。目的や予算に応じて、現場視察、ブランド利用状況調査、消費者調査、資料調査など、最適な方法を選んで実施します。

1.3 トップインタビュー: 企業のめざす姿を深く理解

会社が目指す姿を深く理解するため、経営者にインタビューを行います。ここでは、経営計画よりも、会社が目指すべき姿や理念、大切にする価値観を掘り下げます。経営者の本音を引き出すため、他の社員を入れず、非公開で行うのが基本です。

1.4 社員ワークショップ: ボトムアップでブランド戦略を構築

日本企業では一部の部署だけで重要な方針を決めがちですが、実際にお客様と接するのは製品やサービス、そしてそれを作る社員一人ひとりです。トップの考えを現場が理解し行動しなければ意味がありません。そのため、様々な部署の社員を集めて、会社の強みや改善点、目指す方向について本音で語り合うワークショップを開きます。成功のポイントは、会社をよく知り愛着のある中堅社員を中心に選ぶこと、そして形式的な答えではなく本音を引き出すプログラムを作ることです。

2.ブランドコンセプト開発

ブランド戦略を理想的に作り上げるうえで、最も重要なのがこのブランドコンセプト開発の段階です。ブランドコンセプトには様々な形がありますが、中心となるのは、ブランドを構築するために必要な要素をわかりやすくまとめ、ブランドを発展させるための指針となるようにすることです。

ブランドコンセプトの3つの要素

ブランドコンセプトを明確に定義することは、ブランドの価値を最大化するために非常に重要です。以下のように、ブランドコンセプトの3つの要素を理解し、実践することで、ブランドの価値を高め、顧客との信頼関係を築くことができます。

ブランドコンセプトの3つの要素

ナラティブ(ブランドストーリー:全体像を物語る)

ブランドストーリーは、ブランドの全体像を物語として表現したものです。ブランドがどのように生まれ、どんな価値を提供し、他とどこが違い、将来どうなりたいかを含みます。これにより、お客様の共感を得て、信頼関係を築くことができます。

ブランドアイデア(ブランドの方向性:核心を一言で)

ブランドの方向性は、ブランドの核心を短い言葉で表したものです。明確で印象に残りやすく、社員の行動の指針となります。これにより、ブランドの体験を一貫したものにすることができます。

ビリーフ(ブランドの価値観:判断の基準となる考え方)

ブランドの価値観は、ブランドが大切にしている考え方を表すキーワードです。ブランドの判断や行動の基準となり、お客様との共感や信頼を深める役割を果たします。

3.ネーミング開発

ネーミング開発の図

「名は体を表す」ということわざがあるように、ネーミングとは、ブランドの本質を簡潔かつ印象的な言葉で表現することです。そのため、欲張らず的確に、かつ力強く伝えたいことを表現する手法と、その制作プロセスが重要となります。

ネーミングの検討には、先行して決定したブランドコンセプトを活用します。まず、ブランドの核心となるアイデアを中心に据えます。次に、ブランドの構成要素のどの部分に焦点を当てれば、そのブランドの魅力を効果的に伝達できるかを分析します。こうしたステップを経てネーミングの方向性を定め、創造的な案出作業へと進みます。最終段階では、商標登録の可能性や、国際的な言語・文化的観点からの問題点をチェックします。

ネーミングの検討には、短期的視点だけでなく中長期的な展望も不可欠です。一時的な流行語は魅力的に映るかもしれませんが、将来の事業展開を支える役割を果たせず、様々な制作物に一貫性を持たせることも困難になります。

ブランドネーミングは、多くのブランド資産の中で最初に創出され、最後まで使用され続けるのが通例です。つまり、ネーミングの検討は、ブランディング全体の要となるものであり、特に綿密な戦略立案が求められる段階といえます。

4.視覚的アイデンティティ(VI)開発

視覚的アイデンティティ(VI)開発は、ブランドの本質を顧客の様々な体験を通じて目に見える形で広め、伝える過程です。その中心となるのがブランドの象徴となるマークです。ブランド戦略と見た目の戦略は表裏一体であると理解することが重要です。見た目が美しくても、ブランドの本質を正確に表現していなければ、時間と労力の無駄になってしまいます。

適切な方法は、ブランドの基本概念に基づいてブランド固有の価値を見出し、それを効果的に伝え、ブランド価値を蓄積できる見た目のデザインを生み出すことです。

戦略的なデザイン開発のため、以下の7つの手順を採用しています

4.1 創造的な要約の作成

ブランドの基本概念と見た目のデザインを結ぶ重要な要素です。企画の背景、課題、目的、基本概念、名前の方針、挑戦目標を整理し、全体像を把握します。

4.2 デザインの基本概念の抽出

デザイン開発の核となる要素です。ブランドの特徴を、本質的な言葉と映像で簡潔に表現します。企業、製品、顧客の視点から多角的にブランドの独自性を分析します。

4.3 開発の方向性の設定

デザインの大まかな方向性を指します。デザインの基本概念から1〜3つの方向性に絞り込みます。各方向性の世界観や訴えかけるポイントを明確にすることが重要です。

4.4 ブランドの象徴となるマークの開発

決めた方向性ごとにブランドマークを作成します。初めは多数の粗いアイデアを生み出し、アイデアの強さを重視します。多くのアイデアを出しながら、各方向性に合うデザインを検討します。

4.5 デザインの一貫性の検証

ブランドマークのデザインが決まったら、様々な使用例に当てはめてみます。文字の種類、色使い、図柄、写真、配置などを用いて目に見える形にしていきます。

4.6 ネガティブチェックと図形商標チェック

有力案が決まった時点で、他国での色や形から連想される悪い印象や、異なる業種の分類に入ってしまう可能性などを確認します。

4.7 デザイン要素の細部調整

最終的に選ばれたデザインを磨き上げます。線、色、バランス、文字など、細かい要素を一つ一つ見直し、調整しながら完成させます。ブランドマーク、色使い、文字の種類、図柄などをブランドの見た目の資産として確立し、ブランド体験の繰り返しによってブランド価値が蓄積される重要な要素として育てていきます。

5.ブランド戦略を具体的に実行に移す

ブランドアクティベーション(ブランドの活性化):エクスペリエンスマップ(体験地図)の活用

ブランドの基本概念を決めた後、それを実際に使うための道具が「体験地図」です。この道具を使えば、ブランドの基本概念を中心に、ブランドの体験を幅広く設計できます。

ブランドの体験を考えるとき、ブランドを一人の人に例えると分かりやすくなります。ブランドは人々の心の中にあり、一人ひとりと個人的なつながりを持つものだからです。そのブランドが、どう感じられ(感情)、どう見え(外見)、どう話し(言葉)、どう行動するか(行動)を、人格を作るように総合的に考えます。また、魅力的な人が夢を語るように、ブランドもどんな夢を持っているか(夢)を伝えることで、より魅力的になれます。

ブランドの基本概念が決まったら、それを具体的な表現にするために、感情、外見、言葉、行動、夢の各分野の基礎となるブランドの資産を作ります。人が時代とともに変化しても根本的な部分が変わらないことで”その人らしさ”が保たれるように、ブランドも変化しながらも一貫した”ブランドらしさ”を持つことができます。

このように、ブランドの体験を包括的に設計する方法が「エクスペリエンスマップ(体験地図)」と呼ばれる道具です。資産はブランドの遺伝子のようなもので、作られた資産を基に、各分野の接点でブランドにふさわしい表現を生み出していきます。

ブランドアクティベーション(ブランドの活性化)の5つの柱

エクスペリエンスマップ(体験地図)

感覚的体験の設計 (FEEL)
  • イベントや店舗デザインなどを通じて、ブランドの世界観を五感で伝える

  • 空間づくりやノベルティーなどで、ブランドへの好感度を高める
視覚的アイデンティティの確立 (LOOK)
  • ロゴ、色、フォントなどを統一し、ブランドの特徴を視覚的に表現

  • 一貫したデザインで、ブランドの存在感を高める
言葉づかいの設計 (TALK)
  • ブランドらしい話し方や、キャッチコピーなどを決める
  • SNSでの発信方法も含め、ブランドの個性を言葉で伝える
行動指針の明確化 (DO)
  • ブランドとしてすべき行動や、避けるべき行動を定める

  • 独自の商品・サービスを開発し、ブランドの象徴とする
将来の夢とパワーアップ (DREAM)
  • ブランドの将来像を自由に描き、成長のきっかけを探る
  • 顧客との絆を深める特別なアイテムを開発し、ブランド価値を高める

6.ブランドエンゲージメント(ブランドへの取り組み)

ブランディングの最終段階は、社員の取り組みです。これは、全社員がブランドの考え方を理解し、自分なりに解釈して日々の仕事に活かす重要な過程です。この段階には、「発信」「理解」「実践」の3つのステップがあります。

6.1 発信

発信は、ブランド構築の全過程で継続的に行うのが効果的です。新しいブランド名の発表やロゴの決定など、様々な機会を利用して情報を共有し、社員が自社のブランドに関するニュースを外部から知ることがないようにすることが大切です。発表のタイミングや頻度は、ブランドの浸透や社員の主体的な関与に大きく影響します。

  • ブランド発表会:全拠点をオンラインでつなぐなど、社員一人ひとりの意識を高める発表方法を考えます。
  • ブランド資料集:新ブランドの考え方をまとめた資料を全社員に配布し、ブランドへの理解を深めてもらいます。

6.2 理解

社員がブランドを理解するには、自分なりの解釈で考えるプロセスが重要です。ブランドを抽象的なものとしてではなく、日々の仕事でどう活かすかを自分の立場から考え、理解を深める機会や仕組みを提供することが効果的です。

  • ブランド学習会:ブランドの基本を学ぶ会は、主体的な関与を促す上で有効です。
  • 意見交換会:具体的な仕事に置き換えてチームで考え、実践につなげる機会として実施できます。

6.3 実践

ブランドを自分のこととして捉えた社員の行動によって、ブランドは根付いていきます。理解し行動することが評価され、それが他の社員の行動を促す好循環を作ることが大切です。継続できる組織体制と、行動を起こす社員が称賛され評価される仕組みが必要です。

  • ブランド推進者:ブランドを体現するリーダーとなり、自ら率先してブランドを強化する取り組みを続ける推進者は、ブランドの発展を牽引する役割を担います。
  • ブランド実践ワークショップ:各拠点の社員を対象に、ブランドを日常の仕事に置き換えて考えることで、行動を起こす意欲を高めます。

ブランド戦略設計のよくある質問

ブランド戦略を立てるメリットは何ですか?
ブランド価値は、単なる製品やサービスだけでなく、お客様が体験する全てを通して高められます。例えば、接客や店舗環境、販売後のフォローなど、すべてのタッチポイントにおいて一貫したブランド体験を提供することが重要です。お客様の期待を上回る体験ができれば、ブランドに対する愛着や支持が高まります。
従業員のブランド理解を深めるにはどうしたらよいですか?
ブランド戦略を実行する上で従業員一人ひとりの役割は非常に重要です。そのため、ブランドの本質的な価値観や理念を従業員に徹底的に浸透させることが不可欠です。研修やワークショップを定期的に開催したり、ブランドブックを作成したりと、多角的なアプローチが効果的です。
デジタル時代におけるブランド構築のポイントは何ですか?
デジタル化が進展する中で、インターネット上でのブランド体験の重要性が高まっています。SNSでの情報発信や動画コンテンツの充実化、ECサイトの利便性向上など、多様なデジタルチャネルを活用してブランドを発信・体現することが求められます。またデータ分析を活用し、お客様の反応や嗜好を把握してブランディングに生かすことも大切です。
ブランドの核となる価値観をどのように設定するべきですか?
ブランドが発信する価値観やメッセージは、あらゆる接点において一貫していなければなりません。店舗空間、販売員の対応、製品の機能性、アフターサービスなど、すべてのブランドタッチポイントが統合された体験を提供できるよう設計する必要があります。
まず会社の理念や目指す姿、お客様にとっての価値を深く考えます。社員や関係者との対話を重ね、ブランドの本質を表現する言葉や概念を絞り込みます。お客様の声や市場の動向も考慮し、社会のニーズに合った価値観を設定します。
設定した価値観は具体的な行動指針にまで落とし込み、全ての活動の基準とします。これにより、ブランドの一貫性を保ち、お客様との強い絆を築く基盤となります。
ブランド体験の統合をどのように図るべきですか?
ブランド体験の統合を図るには、お客様の情報を一つにまとめて管理することが大切です。店での買い物記録、ネットでの閲覧履歴、問い合わせ内容などを一つのシステムで扱います。また、実際の店、ネットショップ、交流サイトなど、様々な販売方法を連携させます。
最新の技術を使って、実際の店でもインターネット上でも同じように快適な体験ができるようにします。バックヤードとフロントエンドの業務プロセスの統合も重要なポイントです。 これにより、顧客はどこでブランドと接しても同じような体験ができ、ブランドへの信頼や愛着が高まります。また、会社側も効率的に運営でき、お客様の求めに的確に応えられるようになります。

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