ブランドの本質的な価値を凝縮した、明確で印象的なコンセプトを開発します。そのコンセプトを反映しターゲット顧客に訴求する、覚えやすく個性的なネーミングを創出します。コンセプトとネーミングはブランドのあらゆる表現の基礎となるものです。
ブランドコンセプト、ネーミング開発で解決できる課題
このような課題に直面することはありませんか?
- ブランドの本質的な価値や存在意義が言語化されていない
- ブランドの将来ビジョンやあるべき姿が明確に定義されていない
- ブランドの個性やトーン&マナーが確立していない
- ターゲット顧客の共感を得られる魅力的なブランドストーリーがない
- ブランド名やネーミングが商品・サービスの特徴を的確に表現できていない
- ブランド名が発音しにくい、覚えにくい、意味が伝わりにくいなどの問題がある
- ブランド名の商標権や国際展開に際しての言語的な課題がクリアできていない
- サブブランドやプロダクトのネーミング体系に一貫性がない
- ネーミングが業界の慣習に沿っておらず、顧客に混乱を与えている
- ブランド名と、ロゴタイプやシンボルマークの視覚的な調和が取れていない
魅力的でインパクトのあるブランドコンセプトとネーミングを開発することで、ブランドの本質的価値を明確に定義し、ステークホルダーの心に深く刻まれる差別化されたブランドアイデンティティを構築することが可能です。
ブランドコンセプト、ネーミング開発を成功させるポイント
1.ユーザーの本当の悩みや希望を深く理解し、ブランドが提供する価値を明確にする
多くの企業は、自社の製品やサービスの機能的な特徴ばかりをアピールしがちです。しかし、本当に大切なのは、ユーザーの抱えている悩みや願望を深く理解することです。
ユーザーとの直接の対話や丁寧なリサーチを通じて、表面的なニーズだけでなく、心の奥底にある不安や欲求を汲み取っています。そこから見えてきた本質的な課題をもとに、ブランドが提供すべき価値を見出します。
単に機能的なメリットだけでなく、ユーザーの人生にどのような良い影響を与えられるのか。ブランドの存在意義を明確にし、一貫したブランド体験の提供につなげていくことが重要です。
2.ネーミングでブランドの個性とストーリーを表現し、印象に残る存在感を創出する
ネーミングは覚えやすければいい、という認識は大きな誤解です。確かに発音しやすさや覚えやすさは大事ですが、それだけでは戦略的なネーミングとは言えません。大切なのは、ブランドの個性を体現し、ユーザーの感情に訴えかけること。ストーリー性やたとえ話を織り込むことで、深い意味合いを込められます。音の響きやリズム、韻なども上手く活用し、耳に残るインパクトを与えるのも効果的です。
ありきたりな言葉の組み合わせではなく、他社とは一線を画す、唯一無二のネーミングを追求することが、ブランドの差別化につながります。ネーミング案の候補を出す際は、その言葉から連想されるイメージや価値観が、コンセプトと合致しているかを必ず確認しています。
3.コンセプトの有効性を多角的に検証し、長期的な成長を見据えた柔軟性と一貫性を大切にする
せっかく良いコンセプトが出来ても、それが絵に描いた餅になってしまっては意味がありません。コンセプトがターゲットに響くか、ブランドの強みを活かせるか、時代の変化に対応できるかなど、様々な角度からの検証が必要不可欠です。ペルソナに直接ヒアリングを重ね、コンセプトの言葉を見せた時の反応を丁寧に観察しています。
また、コンセプトを起点に、5年後、10年後の事業展開を想定したシナリオ作りも大切です。新商品・サービス開発や、事業領域の拡張可能性をシミュレーションし、コンセプトの柔軟性を確かめます。
一方で、社会の変化に合わせてコンセプトを軽々しく変更してしまっては、ブランドの軸がブレてしまいます。普遍的な価値観は一貫して守り、ブランドとしての継続性を保つことが何より肝心です。
ブランドコンセプト、ネーミング開発の進め方
1.ブランドコンセプトの要素抽出
ブランドコンセプト開発の第一歩は、ナラティブ、ブランドアイデア、ビリーフの3つの要素を明確にすることです。ナラティブでは、ブランドのストーリーを市場環境、提供価値、独自性などを含めて文章化します。ブランドアイデアは、ブランドの方向性を一言で表現し、社員の行動指針となる言葉を設定。ビリーフは、ブランドアイデアを特徴づける価値観をキーワードで表します。
2.プロトタイピングによるコンセプト案の作成
ブランドコンセプトの案を複数作成し、比較検討するプロトタイピングを実施します。各案で「ナラティブ」「ブランドアイデア」「ビリーフ」に明確な違いを持たせ、主要な接点で使うアイテムを試作的にデザインします。ブランドの完成形やその使われ方を想像しながら、ターゲットにより共感してもらえるコンセプトを目指します。素早く評価・修正を繰り返し、精度を高めていきます。
3.ネーミングコンセプトの設定
ブランドコンセプトを基に、ネーミングのコンセプトを設定します。ブランドを引っ張っていくアイデアを中心に、ブランドの魅力が効果的に伝わる要素に注目します。今だけでなく中長期的な視野を持ち、事業の発展を助け、デザインの制作物にも一貫性を持たせられるネーミングを目指します。
4.ネーミング開発の方向性と評価方法の決定
ネーミング開発の方向性を定めます。これには事業分野の理解促進、企業理念の表現、提供価値の伝達など、多角的なアプローチを含みます。同時に、ネーミングの評価基準も設定します。ブランド戦略との整合性、将来性、読みやすさ、記憶のしやすさなどを、主に「効果」と「効率」の観点からチェックします。これにより、質の高いネーミングを効率的に開発することが可能になります。
5.グループ討議によるネーミングの改善
ネーミングの案を出し合い、議論を重ねるクリットセッションを複数回実施します。課題点の抽出とコンセプトの深掘りを行いながら、次の創案に向けての方針を定めていきます。戦略担当者やデザイナーも参加し、多様な視点を取り入れることが重要です。5、6回のクリットを通じて、ネーミングを磨き上げていきます。
6.ネガティブチェックとリスク回避
最終候補に残ったネーミングについて、法的リスクや他言語での問題がないかを確認します。商標調査を簡易と本調査の2段階で行うほか、事業展開予定国の言語で不適切なイメージを想起させないかなどもチェックします。リスクを回避し、グローバルに通用するネーミングを選定します。
7.ネーミングの決定と展開準備
ネガティブチェックをクリアしたネーミングを最終決定します。ブランドコンセプトとともに、社内外への発表に向けた準備を進めていきます。ネーミングの背景にあるストーリーを丁寧に語りつつ、シンプルで印象的な言葉でブランドの魅力を伝えることを意識します。長期的なブランド展開を牽引する、強いネーミングを目指します。
ブランドコンセプトとネーミングは、ブランド戦略の根幹をなす重要な資産です。戦略の方向性を明確に打ち出しつつ、創造性あふれるアイデアを掛け合わせながら、ブランドの個性を研ぎ澄ませていくプロセスが求められます。緻密な戦略と感性が融合した、唯一無二のコンセプトとネーミングを生み出すことで、ブランドの長期的な成長につなげていきます。
ブランドコンセプト、ネーミング開発のよくある質問
- ブランドコンセプトを開発する上で、大切なことは何ですか?
- ブランドコンセプトを開発する際は、自社の強みや独自性を深く掘り下げることが重要です。競合との差別化を図れるポイントは何か、ターゲット層のニーズや課題に対し自社ならではの解決策は何かを市場環境や顧客インサイトを詳細に分析しながら、ブランドの存在意義を見極めていくことが重要です。その上で、ブランドの本質的な価値を端的に言い表すフレーズを練り上げます。社内外の関係者が、ブランドについて語る際の基軸となるような、印象的なコンセプトを目指します。
- ネーミングの良し悪しを判断する基準は何ですか?
- まず、ブランドコンセプトやポジショニングが合っているかが重要です。また、発音のしやすさや覚えやすさも考慮に入れます。商標登録の可能性も確認が必要です。将来の事業展開に柔軟に対応できる名前かどうかも評価のポイントです。さらに、グローバル展開を見据えた際の言語的な問題の有無も検討します。これらの観点から総合的に判断し、ブランド戦略を体現し、事業成長を後押しする名前を選ぶことが肝要です。ここで注意すべきは、経営者の個人的な好みで決めるのではなく、客観的な評価基準に基づいて選定することです。
- ネーミングが思いつかない時の対処法はありますか?
- ネーミング案が出ない時は、発想の引き出しを増やすことが大切です。辞書や類語辞典を読んだり、図鑑や写真集などを参考にしたりと言葉の探索範囲を広げます。また、ブランドエッセンスを軸に頭で考えるのではなく、自由な発想でアイデアを出していくブレインストーミングも効果的です。チーム全員で付箋を使って案を出し合い、組み合わせを考えるなど、発想の化学反応を楽しむことが肝要です。一方で、言葉の意味や由来などを深掘りする作業も大切です。ネーミングの候補として出てきた言葉について、国語辞典などを使って多角的にリサーチすることで、意外な発見が生まれるかもしれません。発想法のバリエーションを増やし、言葉と徹底的に向き合う姿勢がグッドネーミングを生む秘訣と言えます。
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