デザイナーとして一皮剥ける、説明が上手くなるための3つのセオリー

話すことに苦手意識を感じている人はいませんか?
デザイナーやディレクターは業務での上司や部下との会話はもちろん、お客様へのプレゼンなど様々な人と話す機会が多い職業かと思います。

私自身、社外の方と直接話す機会が多くもっとスムーズに話せるようになりたいと思い、最近話し方について勉強を始めたところです。今回はハック大学 ペそさんが著者の「『説明が上手い人』がやっていることを1冊にまとめてみた」 という書籍で特に重要だと思った箇所を記事にしました。この本では話す中でも特に「説明すること」に焦点を当てて、説明が上手い人、下手な人の特徴についてまとめてくださっています。

本ブログで簡単にまとめましたが、ぺそさんの解説がとても分かりやすいので、気になった方はぜひ書籍も見てみてください。

目次

1.はじめ

「説明が下手な人の特徴とは?」と聞かれたら皆さんどんなことを思い浮かべますか?

ぺそさんは書籍の中で「説明が下手な人というのは常に同じ説明の仕方をしてしまう人」のことだと述べています。

本来、上司や部下への報告やお客様へのセールストークはやり方が全く異なるものだそうです。つまり説明する相手によって、説明の仕方をカスタマイズする必要があるということです。

ここからはその相手による説明の仕方を具体的に紹介していきます。

2.上司への報告

仕事している中で上司に作業の進捗を報告をする機会は多いと思うのですが、そうした説明をする際に、上司に苛立たせてしまうポイントがあります。その一つが事実と解釈を混ぜて報告してしまうことです。

2-1.事実と解釈を混ぜて報告してしまう

業務の中で上司に「あのデザイン案どうなった?」なんて聞かれることがありますよね。その時に「大丈夫だと思います」と返答した際に
「もうお客さんからOKをもらったの?」
「いやまだです」
「まだOKもらってないのになんで大丈夫だと言ったの?」
「いや、先方に見せた際の反応が良かったもので…」
「じゃあまだですって報告してよ」

こういった報告の仕方だと誤解を生むため相手を苛立たせてしまいます。

人はネガティブな報告をする時に不安なため、自分なりに怒られない言葉を使いがちです。ですが上司はぬか喜びをしたいわけではなく、現状を把握して次の打ち手を決めるための判断材料が欲しいと思っています。そのためまず事実が聞きたいのです。
判断を誤った場合、損害が起こってしまうため、そういったことを引き起こしかねない報告の仕方は嫌がられます。

もちろん、解釈や判断をせずに事実だけ言えばいいわけではありません。事実しか述べないと何も考えてないように見えてしまいます。事実→解釈の順番で述べるようにしましょう。

ただ解釈をいう際にも気をつけるポイントがあります。

2-2.根拠の優先順位

解釈を言った後に「なぜそう思ったの?」と聞かれることはありませんか。解釈を述べた後には、根拠を聞かれることがほとんどです。

根拠を言うときには以下の優先順位で話すことを意識しましょう。
1.数字(データ)
2.仮説
3.経験

例えばラーメン屋さんのチラシを作り全体の色を赤色にしたとして、その理由を説明する時には以下のようになります。

1.数字=他のラーメン屋さんや飲食店のポスターに関してどういったデザインにすべきかについて書かれたデータがあればそのデータを提示する。

2.仮説=他のラーメン屋さんのチラシを調べ、赤色の傾向が高かったことに対してなぜなのか推測した考えを伝える。

3.経験=スーパーで食品を買う時に赤色など暖色系のパッケージのものの方が食欲が湧いたなど自分の経験を話す。

このように何となくではなく、ちゃんと考えたことが伝わる説明であれば聞いている方も納得感がありますよね。

ただ、ピッタリ当てはまるデータがない場合もあるかと思います。その場合は類似のデータから自分なりの仮説を組み立てましょう。仮説も難しい場合は、自身の過去の経験から考えを述べましょう。重要なのは自分の勘で話さないことです。

ポイント
・上司に報告する際は事実を先、解釈を後に述べる。
・解釈を述べる際には根拠を用意しておく。
・根拠は1.数字(データ)、2.仮説、3.経験の優先順位で考える。

3.部下への指示

部下への指示が下手な人の特徴は「簡潔に言いすぎてしまうこと」です。簡潔過ぎると、部下は言われたことだけをやればいいんだと、指示待ちの状態になってしまいます。そうなると変化に対応できなくなってしまいます。

例えばデザインのフィードバックで「ここのフォントの色変えて」と指示します。本来は「文字が見づらいから目立たせたい」という背景があるのに、その部分を端折ってしまうと、部下は色を変えることしか出来ません。また、実際に色を変えても上手くいかない場合もあります。

ですが「目立たせたい」という目的を伝えれば、サイズを大きくしたり、文字の周りに十分なスペースを取るなど他の方法も試すことができ、より最適な解決法が見つかるかもしれません。

このように下手な指示には「目的がシェアされていない」ことが多いです。逆に部下は上司の指示に対して「何でですか?」となぜそれを行うのか、理由を聞くことが大事です。

ポイント
・指示が簡潔過ぎると指示待ちの状態になってしまい、変化に対応できない。
・指示する際は目的をシェアすることが大事。
・逆に部下は指示に対してなぜなのか理由を聞き、目的を把握する。

4.お客様へのプレゼン

「上司」「部下」と社内での伝え方を見てきましたが、ここでは社外の人に向けての説明の仕方をご紹介します。

4-1.結論ファーストはNG

「上司への報告」の際は事実→解釈と結論から先に述べることが大事と書きましたが、お客様へのプレゼンの場合は逆になります。結論は最後に話すようにしましょう。「このデザイン進めたいです」「このデザインのポイントはここです」など一番盛り上がるポイントを先に話してしまうと興醒めしてしまいますよね。
結論を敢えて引っ張って楽しませる盛り上げることが大事です。

4-2.難しい言葉を使わない。

説明する際に頭が悪いと思われたくないため、ついつい難しい言葉を使いがちです。しかし難しい言葉を使われるとマウントを取られたように感じ、相手はイラっとしてしまいます。
ある研究で、人は会話の中の言葉で2割分からない言葉を使われると、判断をシャットアウトするというデータがあるそうです。
そのため常に最低限の理解度のある人に向けて説明することを意識するのが大事です。分かりにくい言葉に関しては使わないか、使う場合は例えなどを用いて説明するようにしましょう。

例えば「本日のアジェンダはこちらになります」ではなく、「本日の会議では〇〇について話し合いたいと思います」の方が直感的に理解できますよね。

ここまでは下手なプレゼンの特徴を見てきましたが、どうすればより良くなるのでしょうか?

4-3.質問を誘導する

例えば「学生時代に全国で一位になったことがあって」と言ったら「何の一位?」って聞きたくなりますよね。このように必ず聞かれる質問というのがあります。そういった質問を予め用意して、実際にその質問が来た時に答えられると相手からの納得感と信頼感が跳ね上がります。難易度が高いですが、こういったアドリブ感の演出、会話の誘導が出来ると満足度の高いプレゼンになります。

お客さんへのプレゼンの例としては以下のようになります。

「サイトにはA1明朝というフォントを選定致しました。」

「なぜそのフォントを選んだんですか?」

「A1明朝は画線の交差部分に写植特有の墨だまりを再現しており、交差や角が丸くなっているため、やわらかな印象と自然な温かみを感じさせる書体です。また可読性にも優れているので、大きな見出しから本文まで幅広く活用することができます。御社は100年以上の歴史があり、創業当時からお客様との直接の対話を大切にされているため、そういった企業姿勢を表すため親しみやすさと品を感じさせる書体を選定致しました。」

聞かれるであろう質問をピンポイントで予想するのはかなり難しいですが、あらゆることに対して常に答えを用意しておくのは大事ですよね。

ポイント
・結論から話さない。一番盛り上がるポイントは最後に残しておく。
・難しい言葉は極力使わない、使う場合は例えなどを用いて説明する。
・質問を誘導してアドリブ感を演出すると相手からの信頼度が上がる。

5.まとめ

ここまで「上司への報告」「部下への指示」「お客様へのプレゼン」と様々な状況での説明を見てきました。それぞれ失敗する特徴や解決法は異なりましたが、共通するのが常に説明する側より説明される側ファーストであるということです。

自分のことばかりを考えてしまうと(馬鹿だと思われたくない、楽をしたいなど)説明が下手な人になってしまいます。ですが、相手が何を求めているかを考えて話すことを意識すれば、説明の仕方もより良いものに変わってくるのではないでしょうか。

この記事が話すことに苦手意識を持っている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

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