こんにちは。QUOITWORKS Inc.の遠藤(@en_design0315)です。
今回はビジネス系YouTuberとして有名なハック大学のペそさんが著者の「最強の仕事術」という本について書いていきたいと思います。
–WEB制作にあたって行う仕事は単にデザイン制作だけでなく、お客様のご要望のヒアリングやデザインのご提案など多岐に渡ります。
この本はそうした仕事をする上、デザインする上で必要になってくる考え方・行動の移し方が全て詰まっている本で、この本を読むと仕事をどう捉え、進めていけばいいのかを理解することが出来ます。
今回は、特に重要な箇所をピックアップして説明していきます。
1.マインドセット
1-1.そもそもマインドセットとは?
本書で一番最初に扱われている「マインドセット」。そもそもどういう意味なのでしょうか。マインドセットとは「”なぜ”を考えること」です。
例えばプレゼンをする時に「上手なプレゼンの仕方」を調べたとします。調べた結果「メリハリをつけること」が大事だと分かったため、本番では話に抑揚をつけることを意識して、何とかプレゼンを乗り切りました。
しかしこれは”本当の意味”でプレゼンが上手くなったわけではありません。
なぜなら「メリハリをつけることがなぜ良いプレゼンを生むのか」を理解できてないからです。
もし「メリハリをつける=相手が飽きずに聞けるから」ということが理解できていれば、単にメリハリをつけるだけではなく、「飽きさせないためのコンテンツを加える」など”手法の選択肢が増えます”。
選択肢が増えればその中で一番効果的な手法を選ぶことができるため、より相手を惹きつけるプレゼンが可能になります。
”なぜ”を考えると応用力(=物事を自分で解決する力)が身につきます。これは私の実体験でもあり、同じような経験をしたことがある方もいると思うのですが、過去に数学の問題を解いた時に分からない問題が出てきたため、答えを見てどう解くのかを勉強しました。しかし、その問題は解けるようになったものの、似た問題を解こうとした時にどう解けば良いのか分からなくなってしまった経験があります。これは答えだけを知って公式(=問題の解き方)をきちんと理解していなかったことが原因です。まさに先ほどのプレゼンの例と同じことですよね。答えだけではなく、”解決するための術”を身につけるとより多くのことが出来るようになります。
1-2.手段を目的化しても意味がない
物事において、本来評価されるべきは「結果」であり「プロセス」ではありません。もちろん目標に向かって努力することは素晴らしいことです。
しかし、プロセスを重視し過ぎてしまうと本質を見失ってしまうことがあります。
プロセス重視のデメリット
努力の方向性が間違っていた時にその間違いに気づきにくくなる
→例えば体を鍛えたいと思って、毎日筋トレするとします。しかし自分の筋トレ方法が間違っていたという論文が発表されました。ここでプロセス重視の考え方なら「毎日筋トレさえしてればOK」のためこの情報が自分に入ってくる確率はぐんと下がります。なぜならそもそもそういった情報を探す意識がないからです。
過去に自分が信じた方法・手段に愛着が湧いてしまう
→人は自分が多くの時間やお金をかけてきたものを正当化したくなります。なぜなら過去の自分を否定することになるからです。これを「正当化バイアス」とも言います。その作用が「正しい方向へ修正すること」の障壁になります。
「過去の自分を否定したくない」というのは誰しもが共感することだと思います。
ではそんなプロセス重視から抜け出すにはどうすれば良いのでしょうか。
プロセス重視から抜け出す方法
プロセス重視は、”作業が目的化している状態”のため、作業を”手段”と割り切り、本来の目的に向かって動く状態を作り上げることが求められます。
具体的には「手段を定期的に疑う」ことです。「他にもっといい方法がないか」と疑いをかけたり、「その手段によって本当に目的に近づくことができるか」と考え、検証していくことが必要です。
この章では「自分に負荷をかける」ことの重要さを説いています。楽なことをたくさんやるよりも、負荷をかけたことを1回やる方が結果として後者の方がより成長できます。毎日同じことを続けるというのは最初は大変かもしれませんが、慣れればそこまで苦じゃなくなるかもしれません。そしてその状態をずっと続けてしまって、ここからさらに良くなるための方法を探ることを辞めてしまうのは、楽をしていることと同じだと言えます。常に一番ベストな方法を考え、アップデートし続けることが大切です。
1-3.作業者ロボットにならない
まず、本書で定義されている作業とは何なのでしょうか。
この本での作業は「決められた手順や方法で与えられた課題を解決するもの」「正解・ゴールの形がおおよそ決まっていて、そこにいかに正確に早くたどり着くかが重要視されているもの」を指します。
そして、作業者ロボットとは「決められた手順、決められた方法で与えられた課題を解決する思考」を指します。
この思考しか持っていないとできる仕事の範囲がとても狭くなり、仕事における人材価値が下がってしまいます。
例えば「長年続いてきた業務フローの改善」といった「答えが決まっていないタスク」に対して、作業者ロボットの状態で着手してしまうと、なかなか付加価値を生み出せません。決まった手順、決まった方法で進むことに慣れてしまった人にはこのような明確な答えがないものに対しての進み方が分からないからです。
自身の付加価値を生み出すためには「思考者マインド」を持たなければなりません。つまり全てのタスクに対して「自分でしっかりと考えること」が重要です。
思考者マインドを持つための2つのポイント
インプットに自分の意見を添える
→読書など、インプットをした時にインプットのまま終わらせるのはもったいないです。アウトプットすることは「究極のインプットの手段」でもあり、インプットの効率を良くするだけでなく思考者マインドも自然と備わってきます。
あらゆる情報に「だから何?」「それはなぜ?」をぶつける
→あらゆる情報に対してこれらを問うことで、その情報に対して自分なりの結論と根拠を導き出すことができます。
※思考者マインドの注意点
従来のものに対して何でもかんでも否定してしまわないようにすること
→良い前例があれば続けていくべきなので、良いか悪いかフラットに判断しましょう。
2.勉強の仕方
2-1.学びを辞めると成長が止まる
凡人が天才に勝つための方法は「学ぶこと」です。
ここでいう学びとは「行動・実践を伴い、自分の血肉に変えていく」という次元での学びです。
今置かれた状況の中で何を学び、どう活かすか。凡人が天才に逆転勝ちするためには学ぶしかありません。
学びの特徴として「し続ける必要がある」というのがポイントです。
過去に学んできた内容にあぐらをかいてしまうと、世の中の流れに置いていかれてしまいます。
これは、私たちのようなWeb業界に属する者には特に当てはまることだと言えます。新しいツールが開発されたり、毎年デザインのトレンドが変わるなど、Webはとにかく移り変わりが激しいです。もちろん古いデザインが悪いわけではないですが、例えば若者をターゲットにしたサイトを作る時はトレンド感が求められますよね。そうした時に対応できるか出来ないかで、求められるデザイナーになれるかどうかが変わってくるのではないでしょうか。
2-2.インプットはアウトプットを前提に
最強の学習方法は「小学生に教えるつもりで勉強する」に尽きます。この方法を取り入れることで「原則原理を理解できる」「要点を理解できる」「学びが定着する」という3つのメリットを手にすることができます。
小学生に教えるつもりで勉強する3つのメリット
原則原理を理解できる
→学んでいる途中で理解しづらいところが出てきた場合、普通に学ぶ人は「とりあえず先に進むか」と考えてしまいがちです。
しかし、小学生に教えるつもりで勉強している人は「何となくわかっている」状態では教えられないと考えます。
そうなると、単語やその意味といった表面的な知識だけでは対応できないため、全体的な流れとその流れを掴むための原則原理を理解する必要があると考えます。
その結果、より深く学んでくようになります。小学生に教えるという仮定を置くことで本質的な理解に近づけます。
要点を理解できる
→物事を学ぶ時に小学生に教えるつもりで勉強すると「分かりやすく伝える」ためにはどうすればいいか考えるようになります。
「どの順序で伝えるとわかりやすいか」を考えると、何が要点で何が捕捉的要素なのか理解しようとしますし、また「どんな例えを交えるべきか」を考えることで、要点やその構造を理解しようとします。
結果としてその項目において何が一番重要なのか、要点をしっかり理解することができます。
学びが定着する
→このようなプロセスで学びを得ると定着率が高くなります。つまり長く、深く覚えることができるということです。
2-3.アウトプットのためにインプットする
アウトプットは「インプットの効率を向上させる」大切なものです。
なぜならアウトプットをしないと、脳が「自分に必要のない情報」と認識してしまうからです。
また、アウトプット前提で情報を集めると、疑問点は解消したくなり、なるべく聞き逃さない、読み逃さないようになるためインプットの質も上がります。
しかしここで注意が必要なのは「ただ発信すればいいわけではない」ということです。発信するには工夫が必要で、そのまま得た知識を発信しても意味がありません。
工夫すべきポイント
要約をする
→情報をそのまま発信するのは、読んだ本を渡したり、セミナーに参加することで代替できてしまいます。しかしインプットした意味、アウトプットする意味を持たせることで付加価値を創出したことになります。
自分自身の仮説を持つ
→情報に対して「これは本当なのか」「ということはこういうことが言えるかもしれない」といったことを発信内容に加えることで、アウトプットのクオリティが上がり記憶にも強く定着します。
「要約された情報」+「自分の仮説」のセットでアウトプットすると、そこに「その人にしか出せない付加価値」が生まれます。
2-4.評価はアウトプット最大のメリット
アウトプットの最大のメリットはフィードバックが受けられることです。
フィードバックの形はアウトプットの形によって変わります。
友人や家族に話すなら、その場でのコメントや表情などがフィードバックです。ツイートならそのツイートにつくいいねの数やRTの数がフィードバックに当たります。
もちろん無反応も一つのフィードバックです。フィードバックを受けると、自分だけでは発想できない気づきを得ることが出来ます。
これは、デザインを勉強し始めて日が浅い人に言えることでもあります。デザインを作って終わりにしてしまうと、それ以上良くすることが出来ません。特に初心者はデザインの良し悪しがまだ分からない状態のため、見る目のある人にフィードバックをもらうことが重要で、むしろ自分だけで完結させてしまうとなかなか上達するのが難しいです。また、本書の他にアウトプットのメリットを挙げると「モチベーションに繋がる」というメリットがあります。自分が作ったものに対していいねやコメントをもらうと励みになって「次は今よりいいデザインを作って、もっと多くの人に見てもらいたい!」と頑張ることが出来ます。
3.論理的思考
3-1.物事の考え方
この章では様々な思考法について解説しています。
ロジカルシンキング
「論理的思考」のこと。物事を論理的・体系的に整理し、筋道を立てて考える思考法のことです。論理的思考では、物事Aと物事Bの「因果関係」や「包含関係」を整理することが重要です。
因果関係
因果関係はよく原因と結果で表されますが、Aが起きるとBが起きるのか、それともBが起きるとAが起きるのか、はたまたAとBの間には因果関係がないのか、といった考え方。(例えば、雨が降れば傘をさしますが傘をさしたからといって雨が降るわけではないなど。)
包含関係
Aという要素の中にBがあるのか、Bという要素の中にAがあるのか、それともAとBの間に包含関係は存在しないのか、といった考え方。(例えば、売上の例なら販売チャネルで分ければ「店舗での売り上げ」と「ネットでの売り上げ」が全体の売り上げに含まれるという関係性です。)
MECE
MECEとは、Mutually Exclusive Collectively Exhaustiveの略で「モレなく、ダブりなく」という意味です。
論理的思考を進めていくにあたっては全ての物事が「モレがない状態」かつ「ダブりがない状態」であることが前提となっています。例えば「大根」「ピーマン」「根菜」「きゅうり」が併記されているのはダブりがある状態です。個別のものが並んでいるのに「根菜」という野菜の「サブカテゴリ」があるのは、ダブりがある状態です。また、何かを列挙する時は「モレ」がないかを必ず念頭に置く必要があります。
3-2.ロジックツリーは論理的思考の強力な武器
ロジックツリーとは一つの幹から枝や葉っぱが伸びていく様子が一目でわかるように図示されたものです。
例えばカフェの売り上げを考えた場合、売り上げは店内での飲食の売り上げもありますし、持ち帰り用の商品の売り上げもあります。店内での飲食の売り上げもフードの売り上げとドリンクの売り上げに分けることができます。持ち帰りの売り上げも飲食関連やタンブラーなどの小物なのかに分かれます。
このように、要素分解することによって根本の課題を特定することができます。また、解決策を探る時にどの打手が一番有効なのかが見えてきます。
ロジックツリー=要素分解のメリット
- ボトルネック(障害)を発見することができる
- 目標設定が明確になる
→問題を発見できると、目標がはっきり定まります。
難易度の高いチャレンジの実現イメージが湧く
→どこから手をつければいいのか分からないタスクを与えられた時に、要素分解すると具体的かつ細かいある種「取り組みやすいタスク」に分解することができます。
3-3.仮説思考=あたりをつけて動き出す
この単元では、仮説立案と仮説検証について説明しています。
仮説立案
例えば、気になる異性を食事に誘う時に「この間、少し前に行ったイタリアンの話をしていたから有名なイタリアンにしようかな」と考えることは仮説立案です。
仮説検証
しかし、イタリアンが好きじゃなくて断られた場合、全て台無しになってしまうためそれを知っていそうな人に聞きます。これが仮説検証です。
この仮説立案→仮説検証という方法論は、物事を進めていく上で非常に重要です。
なぜなら選択肢を1から全て検証するとほとんどの工数が無駄になるからです。「ここら辺かなと」あたりをつけることで、余計な情報種集の時間を省くことができ、仕事や作業のスピードを上げることが出来ます。
この話をデザインに置き換えると、例えばデザインの参考を探す際に闇雲に探すのではなく、「カフェのサイト」なら「飲食店のサイト」から探すとか、「落ち着いた雰囲気のカフェ」なら「派手なサイトよりもシンプルなサイト」から探すといったことが仮説立案に当たります。そして、スクールの先生や先輩デザイナーにこの参考で方向性が合っているか確認することが仮説検証に当たります。
4.行動の移し方
4-1.凡人は行動しないと勝てるわけがない
すごい人に勝つためには「行動すること」しかありません。行動しないと見えてこないこともあるため、「凡人だから準備をしないといけない」ではなく「凡人だからこそ行動しなくてはいけない」という考えに変えていきましょう。
4-2.入念な準備よりも、とにかく始めてみる
すぐやることによって考える量は明らかに増えます。
なぜなら必ず壁にぶつかるからです。壁にぶつかるのは「なぜうまくいかなかったのか」「どうすれば壁を越えることができるのか」といったことを考え始める合図でもあります。
つまり「とりあえずやってみる」という行動の数が多ければ多いほど、思考の量は多くなるということです。
例えば勉強する時に一番効率のいいやり方で進めたいと思ったり、デザイナーになる上で一番重要なスキルから身につけたいと思ったりしますよね。失敗したくない、時間を無駄にしたくないと考えてしまうので。ですが、やってみないと見えてこないことは大いにあります。私の実体験でいうとバナーをいくつか作った際に、毎回文字をキーボードで打っただけにしてしまい、文字周りに工夫を施すことが苦手だと気がついたことがあります。これは、実際に作ったからこその気づきです。手を動かさなければ、自分が文字周りのデザインが苦手なことに気づかなかったでしょう。このように実際にやるからこそ見えてくることがあるため、行動することが一番効率のいい方法だといえます。
5.プレゼン・会話での伝え方
5-1.上手な伝達スキルの鍛え方
結論から離さないとどうなるか
→伝えるスキルを身につける方法として、「PREP」というものがあります。
PREPは「point=要点・結論 」「reason=理由 」「example=具体例 」「point=要点・結論」の4つの頭文字を取ったもので、この順序で話すことで聞き手にとって分かりやすくなるという手法です。
要するに結論から話すことが大事ということですね。
必要な情報だけ短く話す
→話が長い人に共通するのが「知ってることはなるべく多く伝えたほうがいい」と考えていることです。
しかし話す際には「なぜ伝えるのか」「伝えてどうしたいのか」を判断することが重要です。伝える際には情報の内容を最低限にとどめましょう。
伝える情報が不足しているのではないかと心配になるかもしれませんが、その時は向こうから聞いてくるはずです。
5-2.質問する際は自分で仮の答えを用意する
何も考えずに質問すると、相手から「頭の悪い人」と思われることもあるのでしっかり考えないといけません。
「自分で仮の答えを持っているか」が良い質問と悪い質問を分ける大きな要素になります。
自分の答えが入っていないと上司は「で、自分はどう思うの?」となりますし、上司に言われた通りにやるという仕事の仕方ではあなたの付加価値をゼロにします。また上司に言われてから自分の意見を言うと上司の時間を奪ってしまい、非効率です。立てた仮説に対して上司とブラッシュアップするという姿勢が重要です。
ただこれに該当しない質問もあります。
それは、単純な知識を問う質問の場合です。例えば、書類の場所を聞くといった場合です。答えは一つしかないため聞いた方が早いです。答えが明確に決まっている質問は、速やかに聞いてしまいましょう。
これは経験ある方が多いのではないでしょうか。どうすれば早くタスクを終わらせられるか特に考えずに進めてしまったり、聞いた方が早いことを自分の中でうだうだ考えてしまい、解決するのが遅くなったりなど。仕事はスピードを求められるため、すぐに手を動かしたくなってしまいます。しかし、自分で1回考えてから質問すべきなのか、すぐ聞くべきなのかを見極めることが必要です。
5-3.プレゼンは準備が9割と理解する
プレゼンは準備がきちんとできていれば、誰でもクオリティが高くできるようになります。ここでは、上手なプレゼンの3つのポイントについて見ていきます。
メッセージ性のあるストーリーを考える
→まずストーリーを作るために必要な材料を探し、プレゼンの大枠を決めていきます。次に「問題提起」「結論」「理由」を決めてプレゼンの骨格を作っていきます。そのあと肉付けとして使える「具体例」「体験談」「データ」を集めていきます。この肉付けの部分で興味を惹きつけるエピソードや数字など「定量的なデータ」を用意することでプレゼンの質がぐっと上がります。
ピラミッドストラクチャーを使う
→ストラクチャーの作り方は、一番上に提案や意見などの「主題」を置き、その下に「主題に対する疑問の答え」を書き一番下に「その答えの根拠」を書きます。ストラクチャーを使うことで、聞き手に納得感を与えることが出来ます。
論理構成のテンプレートを作る
→相手を納得させるためには、聞き手が分かりやすいと感じる構成である必要があります。おすすめの構成は「問題提起→提案→理由説明→結論」という流れです。
問題提起では「何を解決すべきなのか」を明確にしていきます。そうすることでプレゼンする内容と目的を相手に伝え、自分と聞き手の認識を揃えることができます。
提案では「問題を解決するための仮説や解決策」を示します。なるべく簡潔に短く伝えましょう。
理由説明では、具体的なシチュエーションに当てはめて説明したり、どのようにして事実やデータから結論を導いたかを相手に伝えます。この時に「自分の思考回路を相手に見せる」ことをイメージすると理解されやすくなります。
結論では、提案で話したことを簡潔に言い換えて、もう一度再確認します。
この3つのポイントはプレゼンにおいてのヒントですが、デザインに置き換えると、BtoBサイト・サービスサイトの設計に通じる話だとも言えます。例えば「「問題提起」「結論」「理由」を決めてプレゼンの骨格を作っていく」という部分ですが、情報解決型商材のサイトでは最初に「こんなお悩みありませんか?」とターゲットの悩みを最初に提示することで興味を惹き付けて、その後で商材で解決できることを訴求したりしますよね。また「「具体例」「体験談」「データ」を集めたり、数字など「定量的なデータ」を用意する」といった部分はこの手のサイトではよく使われる手法だと思います。導入事例を載せて信頼感を感じさせたり。あとは、数字の部分をジャンプ率を高くしたり、アニメーションで動かして強調するなど。ビジネスだけでなく、デザインにも生かせるポイントですね。
6.自分・上司の管理の仕方
6-1.マネジメントは上司だけのものではない
マネジメントと聞くと「部下ができたら考えること」と思うかもしれませんが、実は若手社員、新入社員でもやるべきことです。ここでのマネジメントとは「周囲の人や上司の行動を管理・予測し、自分の行動をスムーズに動かせる環境づくりをしていく」ことです。
ここでは、自分自身の管理の仕方を見ていきましょう。
自分自身の管理の仕方
計画倒れの可能性を撲滅する
ほとんどの計画倒れは計画の立て方に起因します。
計画通りに行動できない人は、目標に対してどのように向き合えばいいのでしょうか。
ポイントは「目標が適切な水準かどうか」です。その目標は「適切か」「実現可能か」というレベルで見ていく必要があります。
行動レベルまで落とし込めているか
計画を立てる時にこのポイントを意識しないと、計画達成の難易度がぐんと上がります。
逆にいうと行動レベルまで落とせていれば、出来る可能性がぐんと上がります。
では、どういった計画が行動レベルと言えるのか、それは「その辺りを歩いている人でも実行できるか」です。
まず目標の定義づけをした上で、その後に「何をやればいいのか」を考えていきます。この実行項目を考える際は、できる限り細かく考えていきましょう。
例えば勉強すると一言で言っても「夕食を済ませてからすぐやるのか」それとも「帰り道のカフェでするのか」といったことを決めていくのが重要です。
曖昧な目標設定を置いたとしても、翌日には「では何をしようか」と、行動レベルで考えることになります。どうせやるのであれば長期的な視点かつ、現実的なレベルで達成することが出来る計画を立てるべきです。
6-2.自分のスケジュールを棚卸しする
忙しいと疲れが溜まりやすく、アウトプットのクオリティも下がってしまい、あまりいいことがありません。
忙しい原因は大きく分けると3つあります。「何に時間を使っているのか把握していない」「抱えるタスクを整理できていない」「優先順位づけができていない」の3つです。
何に時間を使っているのかを把握する
→忙しいと言う人ほど「なんで忙しいの?」と聞いても案外ふわっとした答えしか回答できないことが多いです。こういう人はタスクの棚卸しをするだけで、思っているほど忙しくないことに気づくことがあります。
タスクの棚卸しをするには、まず平均的な一週間の予定を書き出します。予定にはビジネスだけでなく、プライベートの予定も入れます。
そしてここから「1時間以上かかる予定」を抜き出していきます。重複するもの、例えば毎朝やるものなどは一つの項目としてまとめます。
最後に書き出したタスクを「重要度」と「緊急度」でカテゴリ分けして優先順位を付けていきます。
–具体的には以下の4パターンです
- 緊急かつ重要な予定
- 緊急ではないが重要な予定
- 緊急だが重要ではない予定
- 緊急でも重要でもない予定
こうすることで何に時間を投資して、何の時間を最小限にするかが、タスクベースで見えてきます。予定は時間がかかる予定を先に入れ、その隙間にあまり時間がかからない予定を入れることで、効率的に組むことが出来ます。
6-3.フィードバックサイクルを回す
この章では仕事をする上で、仕事のスピードが速くなる方法を説明しています。
まず、仕事が遅い人の共通点は何なのでしょうか。
要因は色々ありますが「自分だけで仕事を完了させようとしている」ということです。確かに責任を持って仕事を完遂させることはいいことです。
しかし、本当に仕事が早い人になるためには周囲の人を使い倒すことが必要になってきます。
仕事のスピードが速くなる方法
仮説を立てることからスタートする
いきなり上司に何から始めればいいか聞くのはあまり良くありません。なぜなら主体性がないため上司からあまり良い印象を持たれないからです。まずは自分で一定の仮説を持って、計画を立てることから始めるようにします。
手を動かす間に上司に仮説をぶつけよう
計画ができたら次は手を動かすフェーズです。ここが「仕事が早い人と遅い人の分岐点」になります。仕事が遅い人は計画に基づいて手を動かし始めます。一方、仕事が早い人はあらかたの計画ができた段階で、上司に「何を考え、どう動こうとしているのか」を説明します。
この点だけ見ると、すぐに手を動かす方が作業が進んでいるのですが、そもそも持っている仮説がずれていると長い時間を無駄にしてしまう可能性があります。しかし上司に相談していると、ここで修正が出来ます。
これは作業に着手する時に限った話ではありません。
タスクを進めていくと悩むポイントや明確に壁にぶつかるポイントはあるものです。その都度、自分で仮説を立てて、上司に相談しましょう。
方向性が合っているか確認し、間違っていたら修正をする、これを繰り返すことが大切です。
ただし上司の意見だけを聞く作業ロボットにならないようにしましょう。自分のアイデアをブラッシュアップする、上司と一緒に作り上げて良いものにするという発想で相談するようにしましょう。
これは特に就職・転職して間もない方に言えることだと思います。仕事に慣れていないと、自分のやり方が本当に効率が良いのか分かりません。自分が良いと思った方法も上司や先輩に相談すると、もっと良いやり方がある場合は多くあります。(自分よりも上司や先輩の方が経験があるため、自分の考えよりも効率の良い方法を知っている可能性が高いと言えます。)そのため、手を動かす前に上司に相談するのは非常に大事です。
以上になります。
本書は仕事の進め方・考え方に関する本でしたが、デザインに通じる面もたくさんあったのではないかと思います。
この本は、新卒など社会人経験がない方が読むと、仕事の捉え方・進め方が理解できるのはもちろん、ある程度、社会経験のある方が読んでも「確かにこういう間違いやってしまっていたな…」など、自分のやり方が間違っていたことに気づくことが出来ます。
そのため新人・ベテラン関係なく、働く人とって参考になる本だと言えます。
ブログでは特に重要な箇所をピックアップしましたが、他にも仕事をする上でヒント